NUA版「クレイジーG」の勉強(2000年3月例会) 改訂記録 : 本文 00/04/14
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♪「CRAZY-G」を弾こう! |
ウクレレのホームページとしては老舗として有名な小林博(cobachan)さんの 「ウクレレ・サイト」に「2000年プレミアム企画」として、「クレイジーG完全攻略」の連載が1月27日に開始されるや、たくさんの読者からの反響があり、それに応えて次々と改訂を繰り返すという人気企画となりました。
もともとこの「クレイジーG」は(真偽のほどは不明ですが)ハワイの幼稚園で教わる曲とのことで、我が国でも若いウクレレ愛好者の間で好んで弾かれていたのですが、入手できる楽譜で弾こうとしたときにかなりの演奏技術が必要となるため、苦しむ方がたくさんおられました。たとえば、弾き始めたウクレレ体験話を軽快に楽しく綴った古川さん(ふるかわくん) のホーム・ページ「ふるかわくんのうくれれ日記」に、このへんの苦労が書かれており、この古川さんの疑問、質問に小林博さんが「ウクレレ・サイト」の「楽書帳」の中で答えている過程から小林さんの「プレミアム企画」が誕生したのではないでしょうか。
一方、「ウクレレに対すユニークな実験」でNUAでも講演をお願いしたこともある、 藤田(shinfuji)さんのホーム・ページ「ukuleleといっしょ」の中に、藤田さん自身の名演奏「クレイジーG」をMP3フォーマットのファイルで掲載したことにより、それまでこの曲を聴いたことのない読者に反響を呼び、 模範演奏として重用されました。「クレイジーG」はNUA例会の「初級講習会」のテーマとしても最適ですので、2000年3月例会に於いて小林博さんの「講義」と「模範演奏」を、そして藤田さんにも「模範演奏」をお願いし、大好評を博しました。
ここにご紹介するタブ譜は、当日使用したタブ譜をベースに全体の構成はそのままで初心者でも弾けるような小変更を加え、しゃれた雰囲気も持たせたものです。小節番号は「完全攻略」と全く同じですので、それぞれの小節での弾き方についての詳細は「完全攻略」の対応するページでご覧ください。
小林博さんの「完全攻略」ページの注記にもありますが、このタブ譜はCDのコピーを目的としているのではなく、アレンジの一例としてご紹介しているに過ぎません。 是非ご覧の皆様もこのタブ譜も参考のうえ「自分だけのクレイジーG」を作り上げてください。(小林正巳)
タブ譜及び弾き方
- できるだけ簡略化しました。
(以下、ウクレレの1弦、2弦、3弦、4弦の 順に押さえるフレットを数字表記します。たとえば3000は一般 的なCコード の押さえ方を示します) 2320(Gコード)、1320(Gmコード)は、原則としてそれぞれ2020(G6コード)、1020(Gm6コード)で代行させます。 この時G、Gmで伴奏しても全く問題ありません。これにより、9〜14小節の弾きにくいフレーズが弾きやすくなります。 3345(Cコード)および3342(C6コード)は3000(Cコード)という易しい押さえ方に変更します。これにより、19小節めが弾きやすくなります。- しゃれたアレンジを加えました。
20小節めを3000,3000,2000,1000としました。これはCコードからA7コードへ移行する場合に慣習的に演奏される3345,3345,2234, 1123すなわちC、C、B、Bbというコード進行を簡略化し、伴奏はCコードのままでありながら上記のコード進行のイメージを再現したものです。- それぞれの指使いを色分けしました。
タブ譜上の指使いを色分けすることで、視覚的に指の分担が分かるようにしました。これにより、独習される方の疑問にお答えできると思います。 ただしここに示した「指使い」はあくまでも「例」ですので、別の押さえ方を使われても構いません。- 全体の構成。
バンプを4小節弾いた後、メロディーの1小節めから24小節め迄を2回弾き、
D.S.(ダル・セーニョ)によって24小節めから1小節めのセーニョ・マークに戻ったのち8小節めまで弾き、そこから下のコーダ・マーク付きのバンプへ飛び、最後まで演奏します。 エンディングにあるtacetというのは「伴奏をしない」という指定です。
空ピック: | 右手のストロークで、この部分だけは弦に触らずに空振りをします。 この空振りがシンコペーション(ずれたリズム)を効果的に再現するのに役立ちます。 |
Vamp: | 曲の開始部分やメロディーのつなぎ部分そして、終了部分などにつかわれる短いフレーズです。 |
tacet: | この部分は伴奏をしない、という指定です。 |
tremolo: | 右手のストロークを普通より速く繰り返します。 |
右手のすべての指を丸めた状態から、指をひろげるような形で小指から順番に弦を弾きおろします。 |
練習にあたって
★ 楽しんで演奏しましょう。 この曲に限ったことではありませんが、音楽を演奏する場合、自分がリラックスした気分で楽しく演奏するだけでなく、聴く側の人も楽しくなるように心がけましょう。そのためには
練習をする:練習をするということは、大変苦しい作業だと思います。とりわけ、難しいところを繰り返し練習し、ほかの部分とスムーズにつなげて演奏できるようにならないと「曲」として成り立たないからです。けれどもこの苦しい練習をクリヤーして、はじめてひと前でリラックスした演奏ができるようになるのではないでしょうか。
無理のないテンポで演奏する:ひと前で演奏する場合、どうしても緊張するので、練習時の「実力」が発揮できないおそれがあります。その面 から考えて、自分がリラックスして演奏できそうなテンポで弾くことをおすすめします。自分の能力ギリギリの演奏をしようとすると、どうしても全身に力が入ってしまい、知らず知らず歯を食いしばった形相での演奏となり、聴く側までも緊張させてしまいます。
曲に変化をつける:どんなに易しい曲でも、そしてどんなに短い曲でも、その1曲のなかにメリハリをつけるように心がけましょう。具体的には強弱をつける、クレッシェンド、デクレッシェンド、ブレーク等を設ける、ほかの楽器なり歌に廻す、転調する、短調にする、等々、いろいろなことが考えられますが、もっとも簡単にできる方法は「強弱をつける」ことでしょう。これでしたら、強く弾く場所と弱く弾く場所を決めればすみます。
楽譜どおりに弾く必要は無い:クラシック音楽とは異なり、楽譜やタブ譜はあくまでも「手がかり」であって自分の感性で自由な演奏をしましょう。クレイジーGを弾く場合も、コード進行さえ同じであればどんな弾き方でも「クレイジーG」になります。ただし一般 的にコードそのものや全体の進行を変える場合はそのむねメンバーに伝えておかないと混乱を招きます。
いったん演奏を開始したら最後まで突き進む:演奏開始後、間違えたり、ツッカエたりすることがあるかもしれません。けれども、そのたびに立ち止まってやりなおしたのでは「音楽」の流れが壊れてしまうので、何が起こっても予定通 り弾き続けてください。もちろん、スタートでキーを間違えたような場合には、もう一度始めからやり直さないと悲惨な結果 になりますが。
★ クレイジーGを六段階で練習します。
- ここでの練習は「入門編」「初級編その1」「初級編その2」「初級編その3」「中級編」それに「応用編」の六段階に分け次のような内容で行います。それぞれに対する「参考演奏」を「MP3ファイル」で用意いたしましたので、参考にしてください。なお「応用編」以外の「カラオケ」をそれぞれのテンポ(120,160,200,240)で用意しましたので、これをバックに 練習してください。 「参考演奏」「カラオケ」ともに「ターン、ターン、タン、タン、タン、タン」というテンポでスタートします。
項 目 テンポ 演 奏 形 式 内 容入門編 120 タブ譜どおり 小林博さんの記事に準拠し、小節を細かく分けて練習します。 初級編1 120 タブ譜から発展 アップ・ストロークも加えました。 初級編2 160 タブ譜どおり/タブ譜から発展 最初はタブ譜どおりに、続いてバリエーションで練習します。 初級編3 200 タブ譜から発展 このテンポで弾けることを目標に頑張りましょう。 中級編 240 タブ譜から発展 テンポ200を余裕をもって弾くためにはこのテンポをマスターしましょう! 応用編 200 バンド演奏としての応用例 楽しいバンド演奏をイメージしました - 曲の構成(応用編を除く)
「バンプ 四小節」、「メロディー 八小節(これをA部と呼びます)小節番号1〜8」、「メロディー 八小節(これをA'部と呼びます)小節番号9〜16」、「メロディー 八小節(これをB部と呼びます)小節番号17〜24」、「バンプ 四小節」、「エンディング 八小節」
以上を「バンプ」-「A部」-「A' 部」-「B部」-「A部」-「A' 部」-「B部」-「A部」-「バンプ」-「エンディング」と進行させます。
- メリハリの指定(仕掛け)
A部とA'部ともに「Gコード」の部分を「強く」「Gmコード」の部分を「弱く」弾きましょう。そして、B部は弱く弾き始めてだんだんと強く(クレッシェンド)し、最後は力いっぱい?弾きます。この指定は、あくまで「例」ですので、皆さんが演奏する場合は独自の「仕掛け」を考えてください
注意
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MP3ファイルを全部ダウンロードしますと4.76MBにもなり、時間がかかるだけでなく大容量
を必要とします。 |
- 入門編(テンポ:120)
- 「演奏例」は大体八小節単位で独立しています。
再生順小節番号 MP3ファイル 5 2度めの1〜8(A部) (T12G2.mp3) 1カウントに続きバンプ T12G1.mp3(58KB) 62度めの8〜16(A'部) (T12G3.mp3) 21〜8(A部) T12G2.mp3(64KB) 72度めの17〜24(B部) (T12G4.mp3) 38〜16(A'部) T12G3.mp3(64KB) 83度めの1〜8(A部) (T12G2.mp3) 417〜24(B部) T12G4.mp3(64KB) 9バンプからエンディングまで T12G9.mp3(110KB) ★入門編のファイルは5つですが繰り返しがあるのでこの5つのファイルで全曲の練習が可能です。さらにMP3再生用プレイヤーに上記順序で5つのファイルを並べると、多少途切れますが連続再生も可能です。
このテンポ120用の「カラオケ」はT12K.mp3(600KB)に入っていますが、こちらは「こまぎれ」ではなく全曲がひとつのトラックに収まっています 。
- 初級編その1(テンポ:120)T12H.mp3(604KB)
- T12H.mp3(604KB)をお聞きください。「入門編」ができるだけタブ譜に忠実に弾くことを心がけたのに対し、ここでは同じ120のテンポではありますが、多少の遊び心を持って弾くようにしました。すなわちタブ譜には無いアップ・ストロークや三連のストローク、そしてちょっとタイミングをずらす弾き方などを加えてみました。
このテンポ120用の「カラオケ」は「入門編」用を共通に使います。- 初級編その2(テンポ:160)T16G.mp3(462KB)
- T16G.mp3(462KB)が「タブ譜どおりの演奏例」で、T16H.mp3(460KB)が「バリエーションを加えた演奏例」です。
このテンポ160用のカラオケはT16K.mp3を使ってください。- 初級編その3(テンポ:200) T20H.mp3(370KB)
- T20H.mp3(370KB)が「バリエーションを加えた演奏例」です。
このテンポ200用のカラオケはT20K.mp3(372KB)を使ってください- 中級編(テンポ:240) T24H.mp3(320KB)
- このテンポを弾きこなす必要は全くありません。単に目標であるテンポ200が余裕をもって弾けるように腕馴らしをするという目的に使っていただければ結構です。 T24H.mp3(320KB)が「バリエーションを加えた演奏例」です。
このテンポ240用のカラオケはT24K.mp3(320KB)を使ってください応用編(テンポ:200での演奏例)T3S.mp3(556KB) クレイジーGをバンド演奏形式でまとめた例をご紹介します。オリジナルに対していくつかの変更を加えています。T3S.mp3(556KB)が「演奏例」です。これにはカラオケはありません。
- ここではオリジナルのA−A'−Bという24小節構成をA−A'−B−Aという32小節構成に変更し、これを3回繰り返すことにしました。(したがってダル・セーニョと セーニョ・マークはなくなります)
- イントロとエンディングの構成は変えておりませんが、イントロのバンプを「無伴奏」としてウクレレのバンプを目立たせるように考えました。
- バンプのコードを| G/Gdim | D7 |から| G/Gdim | Am7/D7 | に変更しました。
- Aの八小節の最後二小節を上記バンプのコードと同じにしました。(A'の八小節の部分は変えません)
- 19、20小節めのコードを | C | C | から | C | C C B B♭ | に変更しました。
- 3回目のB部分の八小節をベース・ソロとし、伴奏は控えめに付けています。
- エンディングの7フレットのアルペジオをウクレレではあまり効果の出ない「ハーモニックス」にしてみまし。
・お願い
このページで紹介した楽譜は、NUA月例会においてレッスン用資料として作成されたものです。 楽譜の販売及び一般配布を目的と致しておりません。NUAホームページへの リンクはご自由に行って頂いて差し支え有りませんが、本ページ掲載の楽譜は個人のレッスン用にご利用の他は、 転載、又は商用媒体への使用をご遠慮下さい。
・WEBメディアの性格上「ストローク」や「指使い」など簡単に説明出来ない部分もあります。 ウクレレは一寸したコツをつかむことで誰にでも優しい楽器です。 疑問があったり、巧くできないという方、弾けるようになったので人前で披露したいなど、NUAでは毎月月例会が開かれております。 入会希望の方や見学など遠慮なくお気軽に、直接会場へ遊びにお越し下さい。 詳細は、「月例会」の項をご覧下さい。