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001-title:無料ソフトウェアフィナーレ・ノートパッドで美しい楽譜を書こう!


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2008年9月21日(日)
NUA9月例会「日帰り合宿」で紹介


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<※2009年10月追記>
この記事は、2008年9月に書かれたものです。
その後の仕様変更やリンク先のURL変更などには対応しておりませんのでご容赦下さい。
現在、「フィナーレ・ノートパッド」は有料化されております。




1.フィナーレ・ノートパッドとは 


 「フィナーレ・ノートパッド」は米国Finale Music社の開発した世界でもっともポピュラーな楽譜作成ソフトFinaleの無料普及版で世界中で400万ダウンロードをされているソフトです。
http://www.finalemusic.com/notepad/

 これの日本語版はイーフロンティア社が米国同様無料ダウンロードを提供しています。
http://content3.e-frontier.co.jp/notepad/

 現在の最新版は「2008日本語版ウィンドウズ用」
http://content3.e-frontier.co.jp/notepad/download/win/2008/NotePad2008J.zip

と「2008日本語版Mac OS-X用」
http://content3.e-frontier.co.jp/notepad/download/mac/2008/NotePad2008J.dmg.bz2

ですが、これで作成した楽譜は以前のバージョンを持っている人には読めないので、旧バージョンながらほぼ完成している「2006日本語版ウィンドウズ用」
http://content3.e-frontier.co.jp/notepad/download/win/2006/NotePad2006J.zip

または「2006日本語版Mac OS-X用」
http://content3.e-frontier.co.jp/notepad/download/mac/2006/NotePad2006J.dmg.bz2

をダウンロードして使われることをお勧めします。

 ただし「2006日本語版ウィンドウズ用」はWindows Vistaには対応していないので、OSがWindows Vistaの方は「2008日本語版ウィンドウズ用」をお使いください。


2.フィナーレ・ノートパッドの長所


 このソフトで作成した楽譜はフィナーレ・ファミリーの「フィナーレ(プロがもっとも愛用しているソフト)」をはじめとして「アレグロ」「プリント・ミュージック」等の上位ソフトで再生可能です。

 また作成した楽譜はそのままで印刷・出版が可能なほどの美しい仕上がりです。ちなみに「ハワイアン音楽快読本」に収録した楽譜はすべてこのソフトで作成したものです。

 またパワー・タブ・エディターと違い「日本語の歌詞」が1番だけですが付けられます。2番以降も付けられるのですが今回ご紹介するように「テキスト入力」のため各歌詞の位置が揃いにくい問題はあります。

 ふつう私達は「フラット」を「b」で代用いたしますが、このソフトの持っているフォント「Kousaku」は「フラット」を含めた次のようなシンボルを持っていますので、楽譜作成だけでなく、この資料のように普通の文章の中でも使うことができ、大変便利です。

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 楽譜の入力はPCのキーボードからできますが、ほかにもMIDI信号からの入力も可能です。完成した楽譜を移調することも容易です。この場合、1番の歌詞は自動的に移ってくれますが、テキストで入力した2番以降の歌詞の位置はズレ、コードネームは新しいキーには変わってくれないので、再入力が必要となります。

 ソプラノ、アルト、テナー、バス等の声部に分けたスコアができるだけでなく、いくつかの楽器のスコア譜も同じ画面に作成でき、ギター等のタブ譜も並べて表示できます。ただしタブ譜としての能力はパワー・タブ・エディターのほうが優れています。もちろん5線譜の美しさはフィナーレ・ノートパッドがはるかに勝りますが。

 さらにひとつの5線譜上に4つまでの異なるメロディーを重ねることもできます。この場合自動的に譜尾の向きまでかわってくれますが、各メロディーの休符がすべて出てくるため、譜面上では少し見にくくなります。


3.フィナーレ・ノートパッドの機能制限


 前項の「長所」のなかでも触れたような制約があるほかにも次のような機能制限があります。

 まずウクレレに適した4線のタブ譜は上位ソフトでは可能ですがこちらは対応していません。それから曲中での転調や拍子の変更もできません。また、ページサイズが規定のものだけしか対応しないだけでなく、作成後のサイズ変更もできません。

 画像出力もないので(上位ソフトはTIFF出力を持っています)画像が必要な場合には「画面コピー」の必要があり、その場合には画面表示倍率200%以上でないと美しい画像が得られません。

 上位ソフトの持っているオーディオ出力WAV(Win)、AIFF(Mac)、MP3を出すこともできないので簡単なオーディオ・ファイルやCD作成ができません。


4.それでは使ってみましょう


 いろいろと制約はありますが、なにしろ「無料」でしかも美しい楽譜が作成できますので挑戦しましょう。前ページのURLからダウンロードしてインストールし、使い始める際に「シリアルナンバー(製造番号)」の入力を要求してきますが、これは必要事項をメールすると折り返し送られてきますのでその番号を入力すればOKです。この作業は使い始め時だけに発生します。

 まず、自分の作成したい楽譜の全体像を想定しましょう。フラソングのような10〜12小節の曲で、歌詞だけは4〜6番まである曲はA4サイズ1ページで済みますし、一般的な32小節の曲でもしもイントロやエンディングが付いた場合にはB4サイズ1ページ(印刷時にA4サイズに縮小する)かA4サイズ2ページになりますので、とりあえずA4サイズで入力をスタートさせ、ほぼ2ページになりそうな場合にはそのままでよいのですが、ちょっとだけはみ出す場合にはB4サイズに変更します。(実際には別画面でB4サイズのファイルを作成し、コピーします。)この際歌詞は移りますが、コードネーム等のテキストや反復記号、スラー等の画像は移りません。


005:まずこの画面が出ますのでタイトル、作曲者名、ページサイズを入力しますが、タイトルと作曲者名はあとからでも画面上に入力が可能です。  まずこの画面が出ますのでタイトル、作曲者名、ページサイズを入力しますが、タイトルと作曲者名はあとからでも画面上に入力が可能です。


006:次の画面が表示されますので一般的な楽譜の場合は「ボイス」を選択します。  次の画面が表示されますので一般的な楽譜の場合は「ボイス」を選択します。


007:次の画面でキー、拍子、長調、短調別を選べば完了です。  次の画面でキー、拍子、長調、短調別を選べば完了です。


008:いよいよ5線譜が現れます。すべての小節は前休符で埋められています。  いよいよ5線譜が現れます。すべての小節は前休符で埋められています。


009:ステップ入力ツールから必要な長さの音符を選び、目的の音高の位置にクリックしながら置いていきます。  ステップ入力ツールから必要な長さの音符を選び、目的の音高の位置にクリックしながら置いていきます。


010:同じメロディーをもう一度使うには、小節単位でハイライトし、ブロック編集アイコンをクリックします。そして「編集」「コピー」を選択します。  同じメロディーをもう一度使うには、小節単位でハイライトし、ブロック編集アイコンをクリックします。そして「編集」「コピー」を選択します。


011:コピー先の小節をハイライトし、「音符の置き換え」を指示します。  コピー先の小節をハイライトし、「音符の置き換え」を指示します。


012:この作業で元の音符がコピーされました。  この作業で元の音符がコピーされました。


013:1曲全部のメロディーを入力し終わりました。  1曲全部のメロディーを入力し終わりました。


014:後ろにたくさんの不必要な小節があります。場合によっては次のページにまでまたがることもあります。これら不要な小節範囲をハイライトさせます。  後ろにたくさんの不必要な小節があります。場合によっては次のページにまでまたがることもあります。
 これら不要な小節範囲をハイライトさせます。


015:そして「削除」を行います。  そして「削除」を行います。


016:これで必要なメロディー範囲が残りましたので、次は楽譜に使うフォントを選択します。  これで必要なメロディー範囲が残りましたので、次は楽譜に使うフォントを選択します。


017:まず「デフォルト・フォントの選択」をすると「選択」の画面が現れます。  まず「デフォルト・フォントの選択」をすると「選択」の画面が現れます。


018:歌詞のフォントとしては私は日本語の場合「MSPゴシックの12ポイント」英語歌詞の場合は「Arialの12ポイント」に設定します。  歌詞のフォントとしては私は日本語の場合「MSPゴシックの12ポイント」英語歌詞の場合は「Arialの12ポイント」に設定します。


019:いっぽう、テキストのフォントとして、もし2番以降の歌詞が有る場合には「歌詞」で選んだフォントの10ポイントを選択します。ない場合には「Arialの12ポイント」を選び、2番以降が有る場合には歌詞を書いたのちに「Arialの12ポイント」に変更します。  いっぽう、テキストのフォントとして、もし2番以降の歌詞が有る場合には「歌詞」で選んだフォントの10ポイントを選択します。ない場合には「Arialの12ポイント」を選び、2番以降が有る場合には歌詞を書いたのちに「Arialの12ポイント」に変更します。


020:これでデフォルト・フォントの設定(第1段階の場合)完了です。2番以降の歌詞がない場合にははじめからテキストは「Arialの12ポイント」になります。  これでデフォルト・フォントの設定(第1段階の場合)完了です。2番以降の歌詞がない場合にははじめからテキストは「Arialの12ポイント」になります。


021:歌詞アイコンをクリックして音符の位置に歌詞を入れていきます。日本語の場合にはいちいち「確定」させないと先に進みません。  歌詞アイコンをクリックして音符の位置に歌詞を入れていきます。日本語の場合にはいちいち「確定」させないと先に進みません。


022:1番の歌詞をすべて書き込みました。  1番の歌詞をすべて書き込みました。


023:次はテキスト・アイコンをクリックしてから2番以降の歌詞を書き込みます。  次はテキスト・アイコンをクリックしてから2番以降の歌詞を書き込みます。


024:2番以降の歌詞は改行しつつそれぞれを一気に書きます。  2番以降の歌詞は改行しつつそれぞれを一気に書きます。


025:次にテキストを「半角」すなわち英字等の半角に変更してから文字の間にスペースを入れながら歌詞を最適な位置に配置します。  次にテキストを「半角」すなわち英字等の半角に変更してから文字の間にスペースを入れながら歌詞を最適な位置に配置します。


026:この曲の場合は2番と3番の歌詞を記入し、適切な配置を行うことで完成です。ご覧のように縦方向の文字は若干不ぞろいになっています。  この曲の場合は2番と3番の歌詞を記入し、適切な配置を行うことで完成です。
ご覧のように縦方向の文字は若干不ぞろいになっています。


027:コードネームのためにテキストのフォントを「Arialの12ポイント」に変更します。テキストの場合はこのような変更を行っても前に作成した文字は以前のフォントのままですが、歌詞のほうは変更したとたんにすべてが新しいフォントに変わってしまうので要注意です。  コードネームのためにテキストのフォントを「Arialの12ポイント」に変更します。
 テキストの場合はこのような変更を行っても前に作成した文字は以前のフォントのままですが、歌詞のほうは変更したとたんにすべてが新しいフォントに変わってしまうので要注意です。


028:「m」や「7」のようなルート以外のコード用のフォントは「10ポイント」にすると見やすくなります。  「m」や「7」のようなルート以外のコード用のフォントは「10ポイント」にすると見やすくなります。。


029:これまた「半角」(今度は何も変更しなくても半角ですが・・・)でスペースをつくって、適切な位置にコードネームがくるようにします。  これまた「半角」(今度は何も変更しなくても半角ですが・・・)でスペースをつくって、適切な位置にコードネームがくるようにします。


030:前述のように「フラット」はKousakuフォントで作成できますので「Aフラット・セブン」はあらかじめ「A」と「7」の間にスペースを作っておき、そこにKousakuフォントの「b」を16ポイントで入れてやるとみごとに「♭」が作成できます。  前述のように「フラット」はKousakuフォントで作成できますので「Aフラット・セブン」はあらかじめ「A」と「7」の間にスペースを作っておき、そこにKousakuフォントの「b」を16ポイントで入れてやるとみごとに「♭」が作成できます。


031:実際には適当な位置に作成した「♭」のハンドル(□)をつかんで引っ張ってきて目的地に落とします。  実際には適当な位置に作成した「♭」のハンドル(□)をつかんで引っ張ってきて目的地に落とします。


032:タイトルのフォントはMSゴシックの24ポイントで自動的に表示されますが、別のフォントに変更可能です。ここではHG丸ゴシックProの24ポイントに変更しました。  タイトルのフォントはMSゴシックの24ポイントで自動的に表示されますが、別のフォントに変更可能です。
 ここではHG丸ゴシックProの24ポイントに変更しました。


033:作詞・作曲者もMSゴシック12ポイントで表示されますがことらも変更可能です。ここではMSPゴシック10ポイントの斜体に変更しました。  作詞・作曲者もMSゴシック12ポイントで表示されますがこちらも変更可能です。
 ここではMSPゴシック10ポイントの斜体に変更しました。


これで完了です。それではプリントしてみましょう。
(下の楽譜は一度 gif画像にしてから全体の配置を修正してあります。)


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